音楽には人の感情を揺さぶる力があり、アップテンポな曲は気分を高揚させ、スローテンポな曲はリラックス効果をもたらします。耳に入る曲のリズムによって感情が変化することが、購買意欲に直結するのです。
スーパーマーケットで行った実験では、テンポの遅いBGMを流す方がテンポの速いBGMを流すよりも、客の店舗内での移動速度が17%遅くなり、売り上げが38%上昇するという結果となったとのことです。
同様に、レストランで行った実験では、テンポの遅いBGMを流すと客の食事をとる速度が遅くなり、食事量は変わらないものの、アルコール・ドリンクを頼む量が増えたため、売り上げが上昇するという結果が出ました。
イメージ誘導効果
一部のジャンルの音楽は、特定のイメージを想起させます。例えば、ジャズが流れるカフェは「洗練された空間」というイメージを与え、クラシック音楽が流れる高級ブティックは「エレガントさ」を演出します。
これらのイメージは商品の価値を高め、購買意欲を刺激する効果があるのです。例えば、1万円のバッグがクラシック音楽によってより高級に見え、購買意欲が増すといったケースも考えられるでしょう。
店舗BGMと衝動買いの関連性
特に必要としていなかった商品をなんとなく買ってしまったという経験はありませんか?例えば、予算1000円の買い物で、BGMの雰囲気に流されて2000円使ってしまった、などです。店舗BGMはこのような衝動買いに大きな影響を与えます。
では、BGMの策略にはまらず衝動買いを防ぐにはどうすればよいでしょうか? いくつかの対策を以下に示します。
【買い物リストを作る】
必要なものリストを作成し、リストに載っている商品だけを買うように心がけましょう。リストを作ることで、衝動買いを抑制できます。
【BGMに意識を向ける】
店舗で流れている音楽に意識的に耳を傾けてみて「どのような音楽が流れているか」「自分の感情や行動にどのような影響を与えているか」を認識することで、BGMの影響を受けずに済むでしょう。
【ノイズキャンセリングイヤホンやヘッドホン】
周囲の音を遮断することで、BGMの影響を最小限に抑えられます。どうしてもBGMに影響されてしまう場合は、これらのアイテムを活用するのも1つの方法です。