「地元で冠番組を持ちたい」。そんな長年の野望を、50歳にして叶えたのがピン芸人のハリウッドザコシショウさん。SBS(静岡放送)で月1回放送中のバラエティ番組『冠ザコシの冠冠大冠』もスタートしています。芸人のキャリアが多様化するなか、ベテラン芸人として昨今の若手芸人に対して思うことを聞きました。
◆「やっぱりテレビが一番」だと思う理由
――昨今、芸人さんのキャリアが多様化していますよね。舞台に出る方やYouTuber、小説家、映画監督、俳優、MCなど、いろんな活躍の場があります。ザコシショウさんも、新たなキャリアを考えたりしますか?
ザコシショウ:いや、俺はもうお笑いしかできないし、やりたくない。別にYouTuberになるつもりもないです。実際、お笑いをやって動画で食えている人はほとんどいない。僕はお笑いを続けつつ、YouTubeは趣味なので。必ず観てほしいと思ってないし、文句を言う人は観ないでくださいっていつも言ってます。
――最近の若手芸人さんは、ネット動画に力を入れる方も増えていますよね。その傾向についてはどう思いますか?
ザコシショウ:出られる場があるのは、正直、うらやましいです。昔は、出られる場は舞台かテレビしかなかったし。ネットはテレビよりも観てくれる人が多い分、やり方次第でチャンスはあると思います。
ただ、一方で、YouTubeでお笑い芸人がやっていることって、テレビの真似事が多いなぁとも思います。正直、若手に対しては「YouTubeでバズったからって、自分が売れたと思うなよ」と思ったりします。YouTubeは自分で配信する以上は何回でも出られるかもしれないけど、テレビは笑いを取り続けないと出続けられないから。
――出演者としては、テレビとYouTubeの違いを感じるものですか?
ザコシショウ:全然違います。YouTubeは自分の感覚で作るので、何を言ったっていいし、編集も自分でできる。でも、テレビは放送日や時間が決まっているし、自分が登場するコーナーの尺に合わせて調整しなくちゃいけない。たとえば、30分間のネタ番組の枠に合わせて10組芸人が出るとすれば、1組あたり3分しか出番がないんです。どうやってその短い時間で自分のネタをやれるかが勝負。しかも、その枠をオーディションとかで勝ち取らないといけないから、競争率も高い。