一方で、焼肉店を経営している兄は弟を臨時の従業員として雇用し、毎月約2万円の給与を支払っていることになります。これは事業経営上の「人件費」として計上されるため、焼肉店としては給与を支払うことで利益が減少する一方、法人税を節減できるというメリットが生まれるのです。
 
中小企業の場合、所得額によりますが法人税の税率は15%~23.2%と定められていますので、年間24万円の給与を支払った場合は3万6000円~5万5680円の法人税節税の効果があります。
 
兄と弟が別生計の家族であればこのような形での節税と、家族への生活資金提供が同時にできるため、焼肉店を経営している側としては大きなメリットがあるといえます。個人事業を営む予定がある場合は、このような制度をフルに活用していくことを考えていきましょう。
 

まとめ

月2万円、年間24万円程度の副業給与所得がある場合は、翌年に前年分の確定申告を行うことが必要になります。副業所得が20万円未満である場合も、住民税は発生しますので市区町村役場への申告は忘れずに行いましょう。
 
事業経営をしている立場から見ると、別生計である家族を臨時の従業員として雇用することは税制上大きなメリットがあります。家族・親族の協力を得られる場合は、積極的に制度を活用していくとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
中小企業庁 法人税率の軽減
横浜市 市民税・県民税の申告について
 
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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