どうしようもない怒り。深い悲しみに飲まれる。やってくる感情の大きな波に取り込まれそうになった時の抑止力にもなる「俯瞰するチカラ」。今回は、その俯瞰力の鍛え方についてご紹介します。

俯瞰力(ふかんりょく)とは

私たちは生きているだけで、様々な感情にとらわれます。
たとえば、仕事で他の人のミスを自分のせいにされた時は多くの人が嫌な気分になるはず。この他、恋人が浮気した、友達に裏切られたなどなど......。自分にとって大切なコトや人に関係する辛い出来事は、何日も引きずってしまうものです。

しかし、そのような自分ではどうすることもできない事柄にずっと振り回されて生きるのはあなたの人生がもったいない。とはいえ、頭で分かっていても心がついていかない日々もありますよね。そんな時に役立つのが物事を俯瞰して見る力、俯瞰力です。

俯瞰力とは、今の自分に置かれている立場や状況を俯瞰(高いところから見下ろすこと)して考える力のことを指します。イメージとしては、自分という存在を映画の主人公のように捉え、今の自分に起きている出来事をまるで映画館で鑑賞するように第三者目線で見つめるというスキル。

実際に起こっている出来事を目の当たりにしているのは他でもない自分自身ではありますが、心の内側は第三者的な立場でその状況を見つめると、冷静に物事を判断することができるようになるのです。一見、難しいことのようにも思いますが皆さん実は自然にこの俯瞰力を養っているんですよ。

俯瞰力が発揮される時

例えば、複数人のチームとなって何か目標を達成する時。多くの場合、チームでそれぞれがそれぞれの役割を果たしていますよね。リーダー的存在がいて、その補佐をする役、場を和ませる役、縁の下の力持ち的な役などなど......。でも、これらは誰がその役割をして欲しいと言う前に、既にその場にいるメンバーの性格や話す会話の流れによって自然と役割が決まっていくイメージがありませんか?

これは各々が今自分に置かれている状況を自ずと理解し、どう振る舞うべきかを察知して役割を果たしています。この自分と他者におけるポジションングを理解し、求められている役割を果たそうと頭を働かせている考え方こそが俯瞰力です。俯瞰力は「今自分が何をすべきかを瞬時に理解し、冷静に判断して行動に移す力」と言い換えることもできますね。