◆遠慮したら寂聴先生に申し訳ない
「最後の最後はいい人になって、講話や人生相談で人々を元気づけていた。それまでエゴを突き詰めて恋愛をやり切ったんでしょうね」
そんな風に、女性として作家として生き切った寂聴先生に対峙するため、延江さんも本気で挑むつもりで書き切ったそうです。
「遠慮したら寂聴先生に申し訳ない。逆説的ですが、事実に基づいて書き切ることで清潔になるんです」
『J』が出たことで母袋晃平は奥さんに怒られたそうですが、本が出たことを喜んでいるそうです。
世の中に忘れ去られたくないという思いを抱いていた寂聴先生も、もしかしたらあの世で、「やっぱり私を超える存在なんてどこにもいないのよ」と微笑んでいるかもしれません。
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