ストレートに考えれば、いまだ“九条派”になっていない人物、つまり女子カーストの頂点に立つ西野美月(茅島みずき)が最有力候補だろう。相楽がクラスメイトに涙ながらに謝罪する際も、その改心ぶりが気にいらないのか、一度も相楽のほうを向くことなく、憮然とした表情でずっと前を見据えていた。目立つ存在でありながら、これまでスポットが当てられていない点からも、西野のストーリーが第9話で語られる可能性は高い。もう一人、大穴として筆者が注目しているのが、野辺桐子(田牧そら)。西野の陰に隠れてはいるが、これまで相楽らと同様にかなりの悪態をついてきた人物で、公式サイトの人物紹介には「問題児集団、裏の軍師」とまで書かれている。演じる田牧は「野辺の、明るさに秘めた内側の思いもリアルに表現していきたい」としており、その“内側の思い”が鵜久森の一件に関係する可能性も。
星崎の狙いも気になるところだ。星崎は浜岡が校内に侵入する映像を、なぜか九条よりも先に東風谷葵(當真あみ)に見せていた。東風谷は鵜久森の死の理由をもっとも追及したい人物のはずで、東風谷に見せることで教室内に“反・相楽”の空気をつくろうとしたのではないだろうか。九条も、星崎が先に東風谷に見せたという話を聞いて、引っかかった様子だった。星崎は九条が「2周目」を生きていると確信している。星崎は学校生活を退屈だと感じ、相楽や西野らが九条を担任から外そうと嘆願署名を集めた際、九条がどう打って出るか「楽しみ」という理由だけでサインしていたような男だ。星崎もまた2周目を生きており、それがゆえに学校生活がつまらなかったが、九条が1周目とは明らかに違う行動を取ったからこそ、九条にすり寄ったのではないか。そして“親・九条派”が増えて落ち着きを見せ始めたD組の教室に波乱をふたたび起こすために東風谷に先に映像を見せて、相楽犯人説が広まるよう“仕掛けた”可能性もないだろうか。
浜岡を学校に呼んだ生徒が誰かも気になるが、九条の1周目の人生を終わらせた人物が誰なのかもまだ明らかになっていない。その人物は2周目の鵜久森の死にも関わっているのか、それとも別なのか。物語はいよいよ大詰め。魂の授業の果てを見届けたい。
■番組情報
土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
日本テレビ系毎週土曜22時~
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
脚本:ツバキマサタカ
音楽:松本晃彦
主題歌:菅田将暉「ユアーズ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
演出:鈴木勇馬、二宮崇
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
公式サイト:ntv.co.jp/saikyo