相楽の悪友・迫田竜輝(橘優輝)の「救ってやってほしい」という頼みを断りながらも、九条は相楽のもとを訪ねる。相楽がいつも浮かべる不敵な笑みは、自分の弱さを隠すための笑顔だった。相楽は鵜久森いじめについて悪いことをしているという自覚はありつつ、周囲もそれを楽しんでいるからとその問題に目を瞑ってきた。そしてそのことに無自覚なフリをしながら、自分のプライドを守るためにいじめを続けていたのだった。
九条に鵜久森の「強さ」を説かれ、「これが、あなたが変わる最後のチャンス」と言われた相楽は、翌日、教室ですべてを打ち明け、自分はひどい人間だったと認める。そして、許されるわけがないとしながらも、「本当にすまなかった」とD組の生徒に頭を下げるのだった。これまでの悪行から鵜久森の転落死の最重要人物であった相楽だが、実際はシロだった。ただ、相楽自身は鵜久森の人生を闇に堕としたという点でクロだと自覚した。鵜久森の生前に心からの謝罪”ができなかった相楽だったが、涙とともに本心をさらけだしながら天国に届けた謝罪を、きっと鵜久森も聞いていたはずだ。
相楽とその悪友である迫田はこれまでの行いを悔い改め、「最低の人間」と名乗った。これはタイトルである『最高の教師』との対比ではないか。しかし、九条はもとから生徒のためならすべてを捧げる理想の教師だっただろうか。1周目の無気力な姿勢が、卒業式に何者かに突き落とされるという結末を導き、それを悔いることのできる2周目の人生があったからこそ、九条は「最高の教師」へと近づいている。おそらく最後は、九条自身の“罪”――1周目における教師としての態度と改めて向き合うことになるのではないだろうか。鵜久森の死の運命こそ変えられなかったものの、九条が覚悟を決めて向き合うことで、D組どころか教師陣までも変えてしまった。それはつまり、1周目で九条が放棄してきたものでもあるのだ。
2周目の10月4日、鵜久森に何が起こったのか。これはいまだ不明だが、浜岡がこの日なぜ鳳来高校に忍び込んだかは今夜放送の第9話でようやく明らかになるようだ。第9話のあらすじによれば、浜岡に学校に侵入するよう依頼した人物がおり、それはD組の生徒なのだという。一体この生徒とは誰なのか。