「お釣りを1000円多くもらえた!」と喜ぶ友人。お店側のミスでも返金しないと「逮捕される」と聞きましたが、返さなくて大丈夫なのでしょうか…?
レジでのお釣りを受け取る際、正規の額より多く渡されることがあるかもしれません。そんなとき「ラッキー」と思ってそのまま受け取るのは危険です。実は、お釣りが多いと気づきながら返さない場合、法的な問題に発展する可能性があります。   では、お釣りを多くもらった場合、どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか? 本記事で解説します。

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お釣りを多くもらうと罪になる? 気づいたタイミングで違う?

お釣りが多いと気づいたとき、その対応次第で詐欺罪や横領罪に問われるかもしれません。1つずつ見ていきましょう。
 

店で気づいた場合は詐欺罪になる可能性がある

店でお釣りが多いと気づいたにもかかわらず、返さずにそのまま持ち帰ると「詐欺罪」が成立する可能性があります。刑法第246条に規定されている詐欺罪は、他人を欺いて利益を得る行為です。
 
国民生活センターの誌上法学講座によると、「欺く」という行為は、「嘘をついてだますこと」のほか、「相手に真実を告げないこと(不作為)」も含まれます。本来釣り銭を多くもらったことに気づいたタイミングで相手に伝える義務がありますが、それを怠り相手に伝えなかったことで「欺く」という行為が成立し、利益を得たことで詐欺罪が成立すると考えられるのです。
 
実際、過剰なお釣りを返さなかったことで逮捕された例もあります。例えば、2014年12月、福岡市でレジのミスにより多く渡されたお釣りを返さず、そのまま持ち帰った男性が15年1月、詐欺罪で逮捕されたと報じられたのです。
 

あとで気づいた場合は遺失物等横領罪

お店を出てからもらいすぎたことに気づいた場合は「遺失物等横領罪」が成立する可能性があります。刑法第254条に規定された「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した」ときに科せられる罪です。
 
多くもらいすぎたお釣りの本来の持ち主(占有者)はお店です。それに気づいた時点で返還する必要があります。それを怠り、そのまま自分のものにすることで遺失物等横領罪の中でも占有離脱物横領罪が成立する可能性があるのです。
 

気づかなかった場合は罪にならない