年収の壁とは

パートやアルバイトで働くときに意識する必要がある年収の壁は、社会保険料、所得税、住民税の3つです。
 
社会保険料の年収の壁とは、親や配偶者の社会保険の扶養を外れて、自分で健康保険料や年金保険料を負担しなければならない年収のボーダーラインで、以下の2つがあります(※令和6年12月時点の基準)。
 
■106万円の壁
従業員51人以上の企業などに週20時間以上勤務している場合に、厚生年金保険・健康保険に加入しなければならないボーダーラインです。学生には適用されません。
 
■130万円の壁
106万円の壁の適用対象外となる場合に、社会保険(国民健康保険または勤務先の被用者保険)の加入義務が生じるボーダーラインです。
 
所得税、住民税の年収の壁は、それぞれ103万円と100万円(※給与所得者の場合)です。壁を超えた金額に対して、年収などに応じた税率分の税金が課税されます。ただし、住んでいる市町村によっては、100万円以下(96万5000円、93万円を超えた場合)でも住民税(均等割)がかかる場合があります。

 

学生の年収の壁は社会人より高い

学生の場合は年収の壁が通常とは異なり、さまざまな制度の適用を受けられる場合があります。
 
まず、社会保険の扶養を外れる106万円の壁は学生には適用されません。年収130万円を超えた場合にのみ、国民健康保険料または勤務先の健康保険料を負担することになります。
 
また、学生は合計所得金額が75万円以下かつ勤労以外の所得が10万円以下であれば、所得税や住民税の計算時に勤労学生控除(所得税:27万円、住民税:26万円)を受けられます。
 
ただし、子どもの収入が103万円を超える場合、親は特定扶養控除を受けられなくなることに注意が必要です。本人と親がよく話し合って、収入と税負担のバランスを取りましょう。