具体的に決定していないものの、年収の壁が引き上げられれば、すべての納税者が手取り額の増加というメリットを得られます。
国民民主党の試算を参考にすると、年収が高い人ほど増加する手取り額が大きくなっています。年齢的に40~50代の働き盛りで、フルタイム正社員として勤務している人は年収が高いと考えられます。年収800万円の方であれば年間で22万8000円の手取り額の増加が見込まれるため、収入が低い人よりもメリットを感じられるでしょう。
その一方で、一般的に主婦や学生は年収が低いため、年収の壁の引き上げに伴って得られるメリットは限定的かもしれません。ただし、年収を103万円以下に抑えるために就業調整していた方であれば、年収の引き上げに伴って働く時間を増やせます。
実際に103万円から178万円に壁が引き上げられれば、「労働時間を増やす→手取り収入が増加する」というメリットを得られるでしょう。
まとめ
年収の壁の引き上げが実現すると、課税されない収入の枠が広がります。その結果、すべての納税者にとって手取り収入の増加というメリットがもたらされるでしょう。所得税は累進課税の仕組みとなっているため、年収が高い人ほど、増加する手取り額は多くなると考えられます。
2024年12月現在、年収の壁がどの程度引き上げられるのかは未確定です。国民生活に直接的な影響を与えるテーマであるため、最新情報に注目してみてください。
出典
厚生労働省 『年収の壁について知ろう』 あなたにベストな働き方とは?
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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