◆絶大に支持された草刈正雄の真田昌幸
7年前、三谷幸喜が描いた真田昌幸は、すぐ手のひらを返すちゃっかりしたキャラクターで、草刈正雄のチャーミングさと相まって憎めず、むしろ愛らしく、絶大に支持された。これで真田といえば真田幸村(信繁)というこれまでの認識が、真田といえば、幸村(信繁)の父・昌幸と印象づけられた。歴史が塗り替えられた瞬間といっても過言ではない(大げさ)。
だからこそ「真田か……確かに、ありゃあ厄介じゃ」という台詞(発したのは鳥居彦右衛門〈音尾琢真〉)を聞くと、これまでまったく『どうする家康』に出て来ていない真田とはいえ、登場人物と同じように「厄介」の共通イメージを持つことができる。戦国時代、生き残るためには、義理や人情など関係ない、裏切り結構、どちらに付くのが有利か見極めて、迅速に動くことが大事だと示してくれたのが、『真田丸』の昌幸だった。
【こちらの記事も読まれています】