私の推理は「大谷翔平温情説」である。
水原が大谷に借金の肩代わりを頼んで来たとき、大谷が「二度とするなよ」といったことは間違いないのでは。そして何回かに分けて送金し、すべてをチャラにしてやった。
これで全てが終わったと思っていたら、違法賭博の胴元から「大谷翔平」の名前が出てしまった。
大谷は迷った。だが、大好きな野球を捨てるわけにはいかに。泣いて水原を切ったのではないか。
水原も、大谷にこれ以上迷惑はかけられないとすべてを飲み込んで、大谷は全く知らなかったという形で押し通すのだろう。
それでも大谷が出場停止などの処分にならないかはわからない。どこかで「事実」が露見するかもしれない。そうした不安が、大谷の今のバッティングに表れているのではないか。
それに、アメリカでは日本人のスーパースターを憧れの眼差しで見ている人間ばかりではない。これからは厳しい目が注がれるだろう。それを吹き飛ばすには、ホームラン量産が必要だが……。
ポストは、そうした偏見がまだまだあると報じている。
スポーツジャーナリストの友成那智は「MLBがあらゆる方向から、大谷に処分が及ばなにように動いていることはたしかでしょう」として、こう指摘する。
「MLBにはビジネスを大きくしなくてはならないという宿命があり、別法人を作ってカジノ産業にも手を出している。だから、本人の処分までいくことはない」
だが、アメリカの一部ではそうしたことがさらなる批判を招くことにもなりかねないというのである。
MLBはリーグの利益のために疑惑を葬ったと曲解されかねない。
そうなれば大谷への批判が強まり、日本ではあまり注目されてこなかったが、大谷への冷たい視線がさらに向けられるようになるというのだ。
ポストによれば、元々、これまでも日本人プレーヤへの“差別”はあり、イチローがメジャーリーグの安打記録を塗る変えるたびに、日本人の記録を認めたがらないアメリカ人は多くいた。
イチローが敵地の球場へ行くと、スタンドから物が投げられることもあったという。
日本のマスメディアは、大谷が球場の歓声に答えて帽子を取って挨拶する姿ばかりが報じられているが、そうした人間ばかりがアメリカにいるわけではない。
今回の違法賭博の件では、もちろん大谷は賭博自体にはかかわってはいないだろうが、もし、高額の送金に関わっていたとすれば、日本から来たスーパーヒーローへの風当たりが強まることも考えられるだろう。
大谷は相手チームと戦うだけではなく、アメリカの中にいるアンチ大谷という人間達とも戦わなくてはいけないのだ。
思わず「大谷翔平がんばれ!」といいたくなるな。(文中敬称略)