文春によれば、大谷とチームメイトの交流をアシストする中で、自身も他の選手と共通の趣味で親交を深めたという。

 大谷と同じ年にメジャーデビューしたデービッド・フレッチャー内野手と水原は馬が合ったようで、クラブハウスでポーカーをして賭けていたという。だが、大谷は傍観しているだけで、参加することを頑なに拒んでいたという。

 2021年9月7日から翌8日にかけて、エンゼルスはサンディエゴでパドレスと2試合の交流戦を行った。水原は、チームの宿泊先でフレッチャーらとポーカーに興じていたそうだが、そこに参戦したのが違法賭博業者のマシュー・ボウヤーだったというのだ。

 それをきっかけに、その後、水原はボウヤーの下で違法賭博の泥沼に沈んでいったようだ。

 国際サッカー、NBA、NFL、大学フットボール。ギャンブルに弱い水原は負けて多額の借金を負ってしまうのだ。支払える額ではない。

 それでもボウヤーが水原に続けさせたのはなぜか。ワシントン・ポストの取材に、ボウヤーの代理人はこう答えている。

「彼は大谷のベストフレンドだから」

「水原氏は最初のESPNのインタビューで、大谷は、借金の事実を知っていたが、送金先が違法業者かとは聞かなかったと答えた。仮に真相がこの通りだとすれば、結果的に、大谷は違法な賭博事業者の債権回収に関与していたとみなされ、出場停止などの処分を受ける可能性があります」(現地ジャーナリスト)

 つまり大谷を守る唯一のシナリオは、大谷が全く知らないところで送金が行われたという「大型窃盗」罪しかないようなのだ。

 ダニエル・ウォラック弁護士は文春でこう指摘している。

「どれだけ裕福か関係なく、電子送金の取引があれば、銀行から通知がある。また一万ドル以上の電子送金があった場合、内国歳入庁への報告義務が発生する。銀行とのやり取りも水原氏が間に入った可能性もあるが、これだけ多額の送金ならば、日本語を話せるスタッフが口座の名義人に直接確認してもおかしくない」

 そして、もし送金先を大谷が知っていた場合、大谷は捜査対象になるというのである。

「違法賭博とマネーロンダリングを幇助したとして、カリフォルニア州法並びに連邦法違反で起訴される可能性がある。大谷が関与した疑いは強いので、捜査の対象になるのは間違いないでしょう」(同)