税務調査は、相続税申告書を提出した後、通常1〜2年以内に行われます。調査が行われる確率は全体の1割弱程度です。しかし、納税額が大きい場合には、調査のリスクが高くなることを覚えておきましょう。
税務調査が行われると、約8割のケースで申告漏れが指摘され、追加で納税が求められることになります。申告後2年以上が経過すると、税務調査の可能性はかなり低くなります。また、申告期限から5年が経過すると、不正行為がない限り、時効によって徴収権が消滅し、その後は税務調査が行われることはありません。
相続税が課税される基準
相続税は、遺産を受け継いだすべての相続人に課税されるわけではなく、遺産総額が一定の金額を超えなければ課税されません。
相続人が1人の場合、遺産総額が3600万円以下であれば相続税は発生しません。相続人が2人の場合、遺産総額が4200万円を超えると、相続税が課税されることになります。
タンス預金は数十万程度が安全
タンス預金は、数十万円程度にしておくのが安全です。現金を自宅に保管しておくと、火災や地震、洪水などの災害で失われるリスクがあります。火災保険や地震保険では現金は補償されないので、万が一の災害で現金を失っても取り戻せません。また、盗難や空き巣のリスクもあります。
銀行に預ければ、これらのリスクから守られます。ただし、緊急時など、現金が手元にあったほうがよい場面もあるでしょう。非常時に備えて数十万円を金庫に保管するのは一つの方法ですが、大きな金額を保管するのはさまざまなリスクがあることを念頭に置く必要があります。
200万円のタンス預金を銀行に入金すること自体には、直接的な税金はかかりません
お正月に実家で発見した「200万円」のタンス預金を銀行に入金したからといって、すぐさま税金がかかるわけではありません。
しかし、大きな金額を入金すると、相続や贈与などの疑いをかけられる可能性があります。そのため、税務署から調査を受けることがあるため注意が必要です。相続財産として申告しないと、後で税務署に発覚するリスクがあることから、現金を適切に申告することが重要です。
また、相続税が課税されるのは、遺産総額が一定額を超えた場合に限られます。タンス預金は数十万円程度であれば比較的安全ですが、大きな金額を自宅に保管しておくことには災害による喪失や盗難などのリスクが伴うため、銀行に預けることを検討しましょう。