上記はあくまで平均値で、生活レベルによってはさらに多くの老後資金を必要とする場合が考えられます。すぐに貯められる金額ではないため、計画的に貯金することが大切です。
 

50代の平均貯蓄額はどのくらい? 今からでも間に合う?

金融広報中央委員会「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯主の年齢が50代で金融資産非保有の世帯は27.4%、金融資産を保有していない世帯を含めた平均貯蓄額は1147万円(中央値:300万円)です。金融資産保有世帯だけを見ると平均貯蓄額は1611万円(中央値:745万円)です。
 
金融資産保有世帯の貯蓄額の中央値である745万円を今から貯めようとしても、すぐに達成できる金額ではないでしょう。しかし、60代の貯蓄額の中央値に近づけるように、10年かけて計画することはできるかもしれません。
 
金融資産保有世帯における60代の平均貯蓄額は2588万円(中央値:1200万円)なので、中央値を目指して貯蓄を始めるなら、毎月10万円を貯蓄用に取り分ける必要があります。
 
貯金だけでは老後資金の目標金額に届かない可能性もあるでしょう。ある程度貯金が貯まったら、一部を資産運用で増やせるかもしれません。また、老後はすぐに年金生活に入るのではなく、仕事を続けるなどして老後資金を少しでも増やすことも検討できます。
 

50代からでは「遅い」と言う同僚にも一理ある!? 老後資金の準備は貯蓄額の中央値を目標にできる

日常生活の悩みや不安がある人で老後の生活設計を心配する人は63.6%(50代:75.7%)いて、大半を占めていることが分かりました。老後は年金だけで生活費を賄うことが難しいといわれており、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、老後生活の不足分は毎月3万7916円であるとされています。
 
老後20年間で909万9840円、30年間では1364万9760円が必要になることから、計画的な老後資金の準備は大切だといえます。
 
50代になってから老後資金を準備しようとしても、すぐに貯めることは難しいでしょう。60代の貯蓄額の中央値は1200万円ですから、それを目標に10年間で月10万円の貯蓄をできるかもしれません。それと同時に貯金の一部を資産運用で増やしたり、老後も仕事を続けて資産を増やしたりすることも検討できます。
 

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