出典:一般社団法人日本鉄リサイクル工業会「価格推移表(2020年~2024年)鉄スクラップ(鋼スクラップ)価格」を基に筆者作成
 
2020年では2万円台だった価格が、2022年には5万円台になっています。2022年以降は多少の増減はあるものの、5万円台を維持したままです。
 
なお、グレーチングの盗難対策として、ボルトで固定する・クサリを付ける・防犯カメラを取り付けるなどがあります。また、小型GPS機器をとりつけ、容疑者逮捕につながったケースもあるようです。
 

窃盗による刑罰

刑法235条では、他人の財物を盗んだ者は窃盗罪にあたるとされ、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されるようです。
 
また、窃盗罪は未遂でも刑罰をうける可能性があると、刑法243条に記されています。刑法243条の窃盗の未遂罪に問われる行為の例としては、財布などの目的物を探すスリのような行為や、金目の物がないか物色する行為などが挙げられます。
 

グレーチングの盗難が発生している背景には、金属価格の高騰にともなう転売利益を狙う目的があると考えられる

世界的な経済活動の再開にともない、2020年頃から鋼材の需要が回復しました。さらに2022年頃からは、世界情勢の変化や円安の影響などもあり、鉄スクラップの価格が上昇する現象が見られるようになりました。このような影響から、金属の転売目的によるグレーチングの盗難が起こっていると考えられます。
 
窃盗罪は10年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処されます。また、窃盗未遂の場合も罪に問われる可能性があります。
 
グレーチングがない場所は、けがや事故につながりかねません。ふたのついていない側溝を見かけたら近づかないようにしましょう。可能であれば、警察や行政に連絡してもいいかもしれません。
 

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