そうしてズルズルとクリスマスプレゼントやお年玉をはずむ年末年始を繰り返し、気づけば4家族に3人ずつの子どもが生まれ、合計12人にもなっていました。

「兄弟の中で独身はわたしだけ。弟妹の家同士は、お下がりをあげたりもらったり、プレゼントも交換したり、今回はなしにしようなどの取り決めがあるようですが、わたしは普段東京にいるので『なしにしよう』とも言いにくく……。12人分のプレゼントとお年玉地獄。そして交通費で結構な出費になっています」

 さらに、兄弟たちはひとり都会で働く斉藤さんに「東京の会社勤めって収入いいもんね~?」と少しせびるような口調で言ってくるのもモヤモヤの原因。収入が良いといっても都会暮らしにはお金がかかります。

 家族がいなくても自分に投資してお金はそれなりに出ていくもの。年に1~2回しか会わない甥や姪にお金をばらまけるほどリッチではありません。ですが両親のそばにいてくれることを考えると、あまり嫌な顔もできず、モヤモヤしたまま毎年帰省しているという斉藤さんですが、不満はたまる一方のようです。

「最近は弟妹たちもプレゼントやお年玉をもらえるのが当たり前のようにふるまうこともあり、『わたしは金づるか!?』と思うこともあります」

◆もうひとつ憂うつのタネが…

義母の思い出トークが止まらない
 さらに斉藤さんの気分を憂うつにさせるのが、両親や親戚の何気ないひとこと。親戚が集まる場で独身なのは斉藤さんひとりだけ。周りも気を使ってくれてはいるようですが、ふとした一言に敏感に反応してしまうこともあるそう。

「なにしろ4家族と子ども12人集まるだけでもすごいのに、叔母や叔父も集まる大宴会が開かれると、どうしても話題は子どもたちの話になります。わたしもある程度合わせて聞いているのですが、習い事や塾の話など、まったくついていけないし、興味もないので疲れます。そのうえ叔母などが『東京は習い事も種類もいっぱいあるんだってねぇ』なんて悪気なく話を振ってから『しまった』という顔をするので、ゲンナリしますね」