ひねくれた性格のケビンですが、第1作ではお隣に住む独居老人と仲良くなり、息子とケンカ別れしたまま関係を修復できずにいる老人に「勇気を出して電話してみたら」と背中を押すんですよね。身内には素直になれないけど、家族以外の人には天使的な存在になるというケビンの天邪鬼なキャラクターは、ジョン・ヒューズならではの脚本でしょう。
1980年~90年代に青春を過ごした世代は、ジョン・ヒューズ作品にずいぶん楽しませてもらったものです。その後、ジョン・ヒューズはシカゴで隠遁生活を送り、「映画界のサリンジャー」みたいな存在となっていきます。2009年にジョン・ヒューズが亡くなったときは驚きました。息子と生まれたばかりの孫に会うためにNYを訪ねた際に、心臓発作で急逝したそうです。59歳でした。
クソ生意気な主人公にぴったりなマコーレー・カルキン
世界中で大ヒットした『ホーム・アローン』に続く、続編『ホーム・アローン2』も、ストーリー展開はほぼ同じです。クリスマスシーズンとなり、一家はフロリダ旅行へと向かいます。今回はケビンも空港までは一緒だったものの、ひとりだけ間違ってNY行きの便に乗ってしまいます。
父親のクレジットカードを使って、高級ホテルで豪遊するケビンでしたが、前作の泥棒二人組(ジョー・ペシ、ダニエル・スターン)に街で遭遇してしまいます。泥棒たちがクリスマス商戦で潤うおもちゃ屋を狙っていることを知ったケビンは、今回も泥棒たちに立ち向かいます。
クソ生意気なんだけど、子どもらしい無邪気さ、無防備さも感じさせるケビン役に、マコーレー・カルキンはぴったりでした。
前作では独居老人と仲良くなったケビンですが、今回はNYのセントラルパークで暮らすホームレスの鳩おばさん(ブレンダ・フリッカー)と友情を育むことになります。ケビン自身が家族のはみ出し者であり、社会からドロップアウトした人には本当に優しいんですよ。まぁ、泥棒たちには容赦ないんですけどね。