「分裂して間もない頃の12月13日には、六代目山口組と張り合うかのように、神戸山口組と絆會も納会を開いたことがあった。絆會は今年も納会を開催しているものの、山口組から分裂した組織にあの頃の勢いはもう残っていないのではないか。仮に今、六代目山口組を刺激するようなことをすれば、再び緊張が高まる可能性も考えられる。現に六代目山口組は規制下にあっても、必要と判断すれば、容赦なく暴力を行使している」(業界関係者)

 六代目山口組の事始め式には、先日、無罪判決を受けて釈放された五代目山健組の中田浩司組長も山口組幹部として出席している。

「神戸山口組の井上邦雄組長の胸中は、複雑な心境となっているのではないでしょうか。神戸山口組の結成時、中枢を担った組織は山健組でした。その山健組が六代目山口組に復帰し、中田組長が山口組の幹部として事始め式に出席しています。一方で神戸山口組は離脱や引退が相次ぎ、今や結成当初の面影もありません。この1年を振り返っても、はっきりと明暗を分けた形になったと言えるのではないでしょうか」

 山口組の事始め式の後は、国領屋一家本部内で恒例のカラオケ大会も催され、その結束力の強さを悠然と誇示したとされる。こうした様子も「分裂騒動は事実上終結している」根拠として、業界内に広がっているのではないだろうか。

(文=山口組問題特別取材班)