実際のところ、てんちむに下った3億8457万4504円の賠償命令は妥当といえるのか。山岸純法律事務所の山岸純弁護士は「かわいそう」「賠償金が巨額すぎる」という意見があることに対し、このように厳しく断じた。
「賠償金額は妥当と考えます。おそらくメーカーは、てんちむさんの豊胸が発覚した後、消費者からのクレームが相次ぎ、ナイトブラの返金に応じていたのでしょう。また発覚後、在庫のナイトブラはほとんど売れなくなってしまったはずです。そうであれば、返金分や在庫分は損害にあたるので、当然の結論です。
なお、『誇大広告をしたメーカー側にも責任がある』という反論ですが、この方は、自分が著名人であり、自分の言動の影響が大きいことを十分に認識しているはずで、その影響力をナイトブラ販売に利用されていることを本人が熟知している以上、通用しません」
メーカー側は金銭的なダメージに加え、信頼失墜やブランドイメージの毀損といった、計り知れない痛手を負っており、それら踏まえると「妥当」となるようだ。
今後は「てんちむは控訴するのか」が大きな分岐点となるが、彼女は敗色濃厚を悟った時点で控訴を検討していると示唆していた。
それに対して、2ちゃんねる創設者で実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏は9月に自身のSNSで「5億円の裁判だと弁護士は、着手金だけで1500万円(旧報酬会規)。控訴審で負けるとわかってても弁護士事務所は裁判をやりたがる。セカンドオピニオンを無関係の弁護士に聞かないと出費が増えるだけになるやも」と助言していた。
ひろゆき氏の私見にプロは異論
もし本当に「5億円の裁判なら着手金だけで1500万円(旧報酬会規)になるので、負けることが分かっていても弁護士事務所は控訴審をやりたがる」となると厄介で、セカンドオピニオンとなる弁護士が必要になりそうだが、実際のところはどうなのだろうか。山岸弁護士はこう指摘する。