これまでの人生が悪いことの比率が多かったなら、これからはいいことがたくさん起きるはず。そんな言ってしまえば、都合がよくて、単純な考えをエテロの人生は優しく肯定してくれました。

 人生には時に降ってくるような幸せがやってくるんだよと。映画の中で、救われていくエテロの姿を見ながら、同時に私も救われる思いで胸がいっぱいになりました。

 あなたは、大丈夫。強く美しいエテロの瞳に、ひとつの勇気をもらいました。

●『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』

配給/パンドラ ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺他にて大ヒット公開中 ©- 2023 - ALVA FILM PRODUCTION SARL - TAKES FILM LLC

<文/松本穂香>

【松本穂香】

1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた