数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、新しい人生を踏みだそうとする中年女性の葛藤を描いた映画『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』について語ります。
◆死を実感した瞬間から動き出した48歳女性の人生
今回、わたしがご紹介させていただくのは、1月3日に公開された映画『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』です。
主人公のエテロは日用品店を営みながら一人きりで暮らしている48歳の女性。ある日、いつものようにブラックベリーを摘んでいる時に崖から落ちそうになり、死を感じたことによって、彼女の人生が動き始めます。
素晴らしかったです。どんな女性にも、この映画が必要になる時がある、そう思わせてくれる映画でした。
◆自分自身としっかり生きている姿は美しい
映画や作品との出会いはいつも不思議だなと思うのですが、その時自分が必要としていることがその作品に込められていることが多い気がします。というのも、わたし自身もうすぐ28歳を迎えるという年齢に差し掛かり、“ひとり”で生きていくということについて考える機会が多くなってきました。
高熱を出して一人で寝込んでいる時に、ふとこの先のことについて考えたり。不安でいっぱいというよりは、そうなったらそうなったでいいか。というような、ある種、選択肢が増えたような。
エテロの逞しさに比べたら、20代の私なんて到底追いつかないけれど、自分自身としっかり生きているエテロの姿は美しく、何だかとても安心しました。そして、同時に、自分以外の何かを大切に思うことの素晴らしさも、この映画は否定しなかった。
◆これからはいいことがたくさん起きるはず
ひとりで生きるのもいいけど、大切なものは多いほうがいいよねって。人生って、きっとちゃんとバランスを取ってくれるものだと思っているんです。