65歳時点と75歳での平均余命から医療費負担額の総額を計算します。なお、男女差が大きいため男女別に計算しています。
・65歳(男:平均余命19.52年)……77万5900円×19.52年×0.3=454万3670円
・65歳(女:平均余命24.38年)……77万5900円×24.38年×0.3=567万7493円
・75歳(男:平均余命12.13年)……94万900円×12.13年×0.1=114万1311円
・75歳(女:平均余命15.74年)……94万900円×15.74年×0.1=148万976円
65歳での医療費負担は3割負担として計算していますが、負担割合は年齢を重ねると軽減されるので実際には負担額はもっと少なくなります。
総額を計算すると高額な医療費負担に思えますが、75歳以上になれば月額7000円の負担です。したがって、高齢者の医療費負担は、65歳未満の5237円と比べてもそれほど大きくないと言えるでしょう。
老後の医療費を軽減する方法
75歳以上になると老後の医療費負担はそれほど大きくないと言えますが、65歳から74歳までは負担が大きいので、医療費を軽減する制度を活用して負担を軽減しましょう。医療費を軽減する制度には以下のものがあります。
・高額療養費制度……年齢と年収・所得額によって定められた1ヶ月の上限額を超えた医療費が戻ってくる制度
・民間の医療保険……保険料はかかるものの、健康保険適用の費用のみ対象となる高額療養費制度の上限額を超えても、経済的な負担を軽減できる
医療費負担を軽減するうえで大事なことは、大きな病気にかからないよう普段から心がけることです。定期的な健康診断の受診やかかりつけ医を持つことも役立ちます。
老後の医療費は今よりも増加するので、軽減する制度を活用しよう
75歳以上になると医療費の負担割合が大きく下がり、65歳未満の平均負担額に近くなります。しかし、特に65歳から69歳までは負担割合は65歳未満と同じ3割なので、月額負担は大きくなります。
経済的な負担を軽減するためには、医療制度を活用することが大切です。ただし、軽減制度を利用するためには申請手続きが必要なこともあるので注意してください。