▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
高齢者に入居制限をかけている賃貸物件は多い
平成28年に国土交通省が発表した「家賃債務保証の現状」によると、単身の高齢者(60歳以上)を入居不可にしている大家さんは、全体の11.9%でした。
また、夫婦であっても高齢者のみ世帯の入居を不可にしている大家さんは、全体の8.9%です。さらに、生計中心者が離職者の世帯の入居を不可にしている大家さんは、全体の8.7%でした。
この結果から見ると、年金や貯蓄で生活している高齢者、中でも単身の高齢者は賃貸物件を借りるのが難しい傾向にあるといえます。
入居制限の理由は家賃の不払いがトップ
大家さんが入居制限をする理由は、「家賃がきちんと支払われるか不安を感じるから」が57.3%、「居室内での死亡事故等に対する不安」が18.8%でした。
つまり、無職の高齢者に家を貸すと「家賃の支払いが滞るのではないか」「室内で孤独死してしまう恐れがあるのではないか」といった不安を覚える大家さんが多いということです。
高齢者の生活状況はさまざまです。老後の資金をしっかりと蓄えていて急な出費に対応できる高齢者もいれば、年金の支払日前は口座がほぼ空っぽになってしまう方もいるでしょう。
しかし、高齢者の経済状況は第三者にはわかりません。時間をかけて審査するなら、一律入居不可にしてしまったほうがよいと考える大家さんも多いのが現状のようです。