中小企業の事務職で年収「380万円」。これは多い方なのでしょうか?
「事務職」と聞くと、一般的にほかの職種と比べて給料が少ないイメージを抱く人もいるかもしれません。とくに中小企業は、大企業と比べ年収が少ない可能性もあるでしょう。     そこで今回は、事務職の年収を企業規模別・仕事内容別にご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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中小企業の定義

まずは、中小企業の定義について確認します。中小企業というと、数十人規模のイメージを抱くかもしれません。
 
中小企業庁によると、中小企業基本法の中小企業の定義は、業種ごとに異なります。中小企業基本法第二条の中小企業の定義をまとめたものが、表1です。「資本金の額もしくは資本金の総額」「常時使用する従業員の数」のどちらか一方を満たすことで、中小企業と認められます。
 
表1

業種 資本金の額もしくは資本金の総額 常時使用する従業員の数
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
小売業 5000万円以下 50人以下
製造業・建設業・運輸業など
上記以外の業種
3億円以下 300人以下

※中小企業庁「中小企業基本法」を基に筆者作成
 
中小企業基本法では、このように定義されていますが、法律や制度によって、定義が異なる場合があります。
 

中小企業事務員の平均年収

中小企業基本法の定義に沿って、中小企業事務員の平均年収を大企業と比較してみましょう。
 
令和5年賃金構造基本統計調査を基に、人事・会計・営業それぞれの事務職の年収を企業規模ごとに計算したものが表2です。なお「きまって支給する現金給与額」とは、基本給に職務手当や通勤手当などの各種手当、超過労働給与額を含んだ額となります。
 
表2

企業規模 きまって支給する
現金給与額
年間賞与
その他特別給与額
年収
庶務・人事事務員 10人~99人 29万100円 66万8300円 414万9500円
100人~999人 31万9600円 93万7700円 477万2900円
1000人以上 36万4500円 135万3700円 572万7700円
会計事務従事者 10人~99人 30万4200円 73万4300円 438万4700円
100人~999人 31万3500円 88万6900円 464万8900円
1000人以上 35万9500円 133万5700円 564万9700円
営業・販売事務従事者 10人~99人 29万7800円 68万600円 425万4200円
100人~999人 32万2600円 98万3300円 485万4500円
1000人以上 36万8900円 125万9400円 568万6200円