出資

出資により大きく企業価値を上げたのは次の通り。

  • アント・フィナンシャル(アリババ系金融)は、バークレイズによる評価を、1060億ドルから1550億ドルに上げ、現在、世界最大のユニコーン企業となっている。これはCDR方式(中国預託証券、外国上場証券を買う枠組み)により80~90億の出資を受けたと見られるためである。
  • ネットメディアの今日頭条(Toutiao)は、30億ドルの出資を受け、企業価値は750億ドルに上昇。
  • 配車アプリの滴滴出行(ディディチューシン)は、5億ドルの戦略出資を受け、企業価値は560億ドルに上昇。
  • 京東金融(JDファイナンス)は、1.9億ドルの出資を受け、企業価値は200億ドルに上昇。

新勢力

上場、大型出資などにより、中国ユニコーン企業は激動している。7月までに13社が上場し、ユニコーン界を後にした。しかし後進は着実に育ち、ユニコーン入りまでのスピードはアップしているという。

  • コーヒーチェーン瑞幸珈琲(Luckin Coffee)は、複数の国内投資ファンド、シンガポール政府投資公司(GIC)の出資により、あっさりユニコーン企業入りした。設立わずか7ヵ月後のことである。スターバックスを脅かす存在となれるかどうか。
  • 小桔車服(自動車総合サービス)は、配車アプリ企業ディディチューシンのサービス部門が独立した会社である。滴滴からの新規出資10億ドルにより、これもあっさりユニコーン企業入り。
  • 蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、威馬汽車(WM Motor)は、いずれも新エネルギー車の研究開発に特化した企業だ。自動車関連業界、IT業界、機関投資家など、オールチャイナから投資を集めている。 中国ユニコーン企業の大半は、中国の優れたネットインフラを基盤に、新しい市場の創出に挑み、成果を上げている。良さそうなアイデアを、たちどころに具現化してしまう金融サポート体制も、秀逸といってよい。実にダイナミックなベンチャー市場が形成されているのだ。

    従来型企業の新規事業進出では、とても追いつけないスピード感だ。日本は、大企業の決算を気にするより、ユニコーン企業の少なさに留意すべきである。

    文・高野悠介(中国貿易コンサルタント)/ZUU online

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