会社員の場合だと原則65歳から主に老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給されます。老齢基礎年金は月額6万8000円(2024年度)です。
老齢厚生年金は厚生年金保険の加入期間や納付する保険料額によって変わります。報酬比例部分だけでなく加給年金額や経過的加算額が合算されるケースもありますが、今回は報酬比例部分のみでシミュレーションしてみましょう。
夫は大学卒業後22歳で就職し、会社員を辞めずに65歳定年まで厚生年金に加入し続けるとします。実際は年齢や勤務成績などで年収は変動すると思われますが、43年間毎年450万円の収入を得るとしましょう。報酬比例部分は加入期間によって以下の計算式に分かれます。
・(2003年3月以前)平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
・(2003年4月以降)平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
夫は現在45歳で「2001年4月入社」とすると、2年間は前者の計算式、残り41年間は後者の計算式が適用されます。平均標準報酬月額、平均標準報酬額それぞれ37万円と仮定して、それぞれの加入期間月数を当てはめると以下になります。
・(2003年3月以前)37万円×7.125/1000×24月=6万3270円
・(2003年4月以降)37万円×5.481/1000×492月=約99万7761円
年間の老齢厚生年金受給額は合計で約106万1031円となり、月額約8万8419円もらえる計算です。夫婦それぞれの老齢基礎年金と合わせると月額約22万4419円です。
不足額はいくら?
65歳から夫婦合わせた年金受給額は月額22万円、老後の生活費は月額30万円かかると仮定すると、毎月8万円の赤字となります。赤字額が将来的に変わらない場合、年間で96万円、90歳までの25年間で2400万円程度に膨らみます。
年金以外に収入がなければ不足分は預貯金から補填しなければならないため、定年退職を迎えるまでに最低でも2400万円以上用意しておく必要があるといえるでしょう。