もちろん、結婚していても恋に落ちることはある。離婚して再婚するケースもあるだろう。それはやむを得ないことかもしれない。だが、彼のやり方は、(おそらく)夫を信頼していた妻のその気持ちをぶったぎるようなものではなかったか。

 不倫相手が精神的に不安定だからと、ゴールデングラブ賞の授賞式のときに結婚指輪を外して出席することを彼女に約束し、それを実行した。妻だって授賞式を見ていたかもしれない。いきなり結婚指輪を外して参列していた夫を見て、妻はどう思っただろう。源田選手にとっては、妻より彼女のほうに思いがいっていたのだろうが、だからこそ妻への配慮をするべきではなかったか。

◆「別れ方」には“その人”が出る

 恋愛でも結婚でも、「別れ方」には“その人”が出る。特に結婚においては、彼が野球に専念できるよう、妻はがんばってくれたのではないだろうか。遠征の多い野球選手を夫にもったのだから、子育ても家事もワンオペ覚悟だったはず。そんな妻に対して、「本気で好きな人ができちゃったから」と無言で見せたのが、あの指輪外しである。

 子どもがいようがいまいが、不倫する人はするし、それが離婚に至ることもある。そのとき、どういう言動で「配偶者」に接するか、そこに人間性が出るのだ。

 不倫相手が精神的に不安定だからといって、公の場で指輪を外してみせるのは、あまりに稚拙(ちせつ)ではないか。だったらきちんと、「離婚して、きみと結婚するから信じて待ってほしい」と説得すべきだし、妻にも誠心誠意、向き合って離婚を納得してもらうべきだろう。

 妻だって薄々、夫の不倫に気づいてはいただろう。だが、いつかは戻ってくると信じていたかもしれない。まだ3歳と1歳の子どもたちがいるのだから。

◆子どもがいる場合「きれいに別れる」ことを目指すべき