▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
利用しやすくなった減額返還制度
令和5年に策定された「こども未来戦略」では、施策の一つとして「子育て世帯の家計を応援」が掲げられ、大学等にかかる教育費負担の軽減を目的に「貸与型奨学金の減額返還制度」の緩和措置が講じられました。
減額返還制度とは、経済困難(収入等の基準)、失業、病気、災害などの理由から月々の返還が困難になった場合でも、延滞することなく計画的に返還できるようにする制度です。ただし、減額返還制度の適用期間に応じて、返還を終えるまでの返還期間は延びることになります。
減額返還制度は、令和6年4月より以下のように制度が改正され、さらに利用しやすくなりました。
(1)減額返還方法の追加新設
これまでの返還月額を2分の1または3分の1に減額して返還する方法に加え、4分の1または3分の2に減額して返還する方法も選択できるようになりました。
(2)収入基準の緩和
減額返還制度を利用可能な年収上限(目安)が、年間収入金額325万円以下から400万円以下に引き上げられました。本人が扶養している子どもの人数や給与所得以外の所得がある場合の基準もそれぞれ引き上げられ、現行では図表1のとおりとなります。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「月々の返還額を少なくする(減額返済制度)」より筆者作成