生涯に必要なお金は日常生活費とライフイベントごとに発生する費用の2つ
一生暮らしていくために、必要な金額をおおまかに試算してみましょう。総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年」によると、全世帯の1ヶ月当たりの生活費は平均約25万円です。1年間では約300万円、20~100歳までの80年間では2億4000万円必要となる計算になります。
このほかに、人生の3大費用と呼ばれる次の費用も考慮しなければなりません。
・子どもの教育費
・住宅購入費
・老後費用
子どもの教育費用は、子どもの人数や進学する学校、習い事や塾などの内容によって異なりますが、一般的には子ども1人当たり1000万円といわれています。ただし、この金額はすべて国公立に通う場合なので、私立に通う場合の費用はさらに膨らみます。
また、住宅購入費は国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、新築で平均4700~5800万円ほど、中古住宅でも平均2800~3000万円ほどとなっています。
老後の生活費は上記の生活費の計算に入っていますが、多額の医療・介護費用が必要となるケースや、高額の老人ホームなどに入居する場合などには平均以上の生活費が必要となることが考えられるでしょう。
以上を考え合わせると、結婚の有無やパートナーの収入、子どもの有無などにもよるものの、会社員時代の収入だけで一生の暮らしを支えるのは難しい可能性があります。
生涯賃金の不足を上手に補うコツは?
生涯賃金の不足を補って老後を安心して過ごすには、老後に得られる年金などの収入を含めた場合にどのくらい不足しそうかを具体的に見積もってみることが大切です。そのうえで、家計のムダを省いて計画的に貯蓄や資産運用をし、備える必要があります。
例えば、iDeCoやNISAなど国の制度を活用した資産形成や、個人年金保険などの活用も選択肢になるでしょう。