4月から社会人になります。これからの人生で必要なお金について考え始めたのですが、一生暮らしていくためにはどのくらい必要なのでしょうか?
社会人になりたては給料がそれほど多くなく、将来のためのお金は準備できるだろうかと不安に感じる人もいるでしょう。会社員時代に稼げるお金や一生に必要なお金は、一体どれくらいなのでしょうか。   本記事では、会社員の生涯賃金の平均額や一生に必要な金額の目安を紹介するとともに、稼ぐだけでは足りないお金を補うコツも解説します。

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退職金を含めた生涯賃金はどのくらい?

労働者が、一生のうち(一般的には学校卒業後〜定年または引退まで)に稼ぐ賃金の総額を「生涯賃金」といいます。独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―」によると、大卒者、高卒者の生涯賃金は図表1のとおりです。
 
【図表1】

定年(60歳)まで・退職金を含めない 退職金、定年以降の賃金を含む
大卒 高卒 大卒 高卒
男性 2億4740万円 2億300万円 3億2020万円 2億6020万円
女性 1億9800万円 1億4920万円 2億5370万円 1億8910万円

※独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―」より筆者作成
 
新卒で就職してから会社員時代の40年間で稼げる金額は、男性の場合、約2億~2億5000万円、女性の場合は約1億5000万円~2億円が目安であることが分かります。
 
ただし、生涯賃金は勤める企業の規模にも左右されます。例えば大学卒男性の定年までの生涯賃金(退職金を含めない)は、1000人以上規模の企業では約2億9000万円、10~99人規模で約2億円と、9000万円もの開きがあります。大学卒女性の場合も1000人以上規模の企業が約2億3000万円なのに対して、10~99人規模の企業では約1億7000万円です。