つみたてNISAの対象銘柄は155本ある(2018年8月20日現在)。いずれも金融庁が定める基準をクリアしているが、今後の投資活動に対する勉強も兼ねて、論理的に選ぶ経験を積むことは大切だ。売れ筋の観点からおすすめできる投資信託5本を紹介しながら、銘柄を選ぶ際に、投資信託やETFのどこに着目すればよいかを「初心者目線」で解説する。
つみたてNISA(積立NISA)の投資信託を選ぶ際のポイント
つみたてNISAの対象となっている銘柄は、全て「投資信託」である。投資信託とは、簡単に言えば「多数の人から少しずつ集めたお金を、運用の専門家が株や債券などに分散投資・運用し、利益を投資した人へ分配する」金融商品だ。投資信託を選ぶ際の基本的なポイントは4つある。
①信託報酬の割合
信託報酬とは、簡単に言えば「投資信託を持っている間に支払う手数料(プロに代行を頼む運用管理費用)」のことだ。つみたてNISAの対象銘柄の場合、信託報酬は全商品ともに0.1~1.5%前後に設定されているため、初心者の場合「その程度なら……」とそれほど気にかけないかもしれない。
しかし投資初心者であれば、基本的には信託報酬が安いものを選んだ方が無難だ。信託報酬が高くても投資信託の利回りが高ければ投資信託から得られるお金は多いが、その分コストも高くなるため注意が必要だ。
②投資信託の純資産総額
次に注目したいのが「投資信託の純資産総額」である。純資産総額とは、簡単に言えば「対象銘柄の規模」を表すもので、組み入れられている株式や債券などの資産の総額を意味している。
純資産総額が伸びているということは、これまでの運用成績が良かったり、または、その投資信託が大勢の人に買われたりしていることを示している。純資産総額を銘柄選びの際の一つの参考指標とするとよいだろう。
③投資先は国内か、海外先進国か、新興国か?
投資信託の種類はさまざまだ。日本など特定の国の株や債券に投資しているものもあれば、世界各国に分散投資しているものもある。特定の国に投資している場合、その国の経済情勢の良し悪しが、該当する投資信託の成績に大きな影響を与える。
例えば、新興国の株や債券などを投資先に選んでいる銘柄もある。新興国は、経済が発展途中である反面、経済や社会情勢が急に変わるなど、将来的な予測がつかない面がある。基本的には、投資対象が新興国である程に「ハイリスク・ハイリターン」、国内や先進国であるほどに「ローリスク・ローリターン」の傾向があると考えよう。
④パッシブ運用かアクティブ運用か
「つみたてNISAの対象銘柄」を大きく区分けした場合、この2つのいずれかに該当する。パッシブ運用は「日経平均株価」などの株式指標(インデックス)と同じような値動きを目指しており「ローコスト(リスク)・ローリターン」といえる。アクティブ運用の場合、ベンチマークを上回るような運用生成を目指すようにプロが独自に投資対象を選んでおり、基本的には「ハイコスト(リスク)・ハイリターン」だ。
カブドットコム証券買約定金額(売れ筋)銘柄TOP5
初心者の方にとっては、つみたてNISAの対象銘柄である155本もの銘柄を一つずつチェックしていくのは、多大な労力を費やすことになりかねない。そこで、カブドットコム証券のつみたてNISA口座での買約定金額における上位5銘柄、つまり売れ筋の銘柄を紹介する。(信託報酬は2018年8月29日時点)
1位:ひふみプラス(信託報酬:1.0584%)
2位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(信託報酬:0.11826%)
3位:楽天・全米株式インデックス(信託報酬:0.1696%程度)
4位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(信託報酬:0.1728%)
5位:<購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(信託報酬:0.1177 %)
※- 2018/8/1~2018/8/13までの期間で、カブドットコム証券のつみたてNISA取扱いファンドの内、つみたてNISA口座で買付約定金額を集計したものです。
- つみたてNISAファンドランキングは、投資判断の参考としての情報提供を目的として作成したものであり、特定の投資信託・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。また、投資勧誘を目的にしたものではありません。
1位の「ひふみプラス」を除くと、全てがインデックス型(パッシブ運用)だ。「信託報酬が安いもの」が売れていると言えるだろう。例外的に思える「ひふみプラス」は最近の投資家に人気の高い銘柄であり「安定的に規模が増えている銘柄」のため、やはり上述した着目したいポイントの通りである。