◆マイホームを投げ売り価格で手放さざるを得なくなるかも

 一番いけないのは、変動金利が高くなるのをそのまま放っておいて、ついには住宅ローンを払うことができなくなり、延滞が重なり、投げ売り価格でマイホームを手放さざるをえない状況に追い込まれることです。

引っ越し
 その場合には、マイホームはなくなり、ローンだけが残るということも考えられます。事実、この1、2年の金利高騰でアメリカやヨーロッパではそのように住宅を手放しローンだけが残った人たちが多くいるのです。

 金利動向は住宅ローンを返している人にとって、生活が一変する大事件です。金利が上がった時に慌てて困り果てないように、これから年末にかけて、マイホームと住宅ローンの返済のことをじっくり考えてもらいたいと思うのです。

<文/佐藤治彦>

【佐藤治彦】

経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko