Aくんのお母さんも「いつも息子や娘がお邪魔してしまって、すみません」と返したあと、マキさんの目の前に1万円札をスッと差し出し「今まで息子や娘がいただいた分のお菓子やジュースの分です」と言いました。
マキさんはすぐに「いりません」と返しましたが、「これで、これからもこの子が遊びに来たときにお菓子を買う足しにしてください」と言うAくんのお母さん。マキさんが戸惑っているなか、1万円を強引に手渡してAくんとお母さんは帰っていったそうです。
◆お金で解決したかったわけではないのに
「Aくんがお母さんにどのように伝えたのかはわかりません。純粋に『今まで迷惑をかけたから、その分のお金を支払おう』という気持ちで1万円を用意してくれたのかもしれません。
でも、もしかしたら『ハルトの家は毎日お菓子を買うお金がない』や『ハルトのママがお菓子を買うお金をほしがっている』と伝えたかもしれないので、どんな意図の1万円なのかわからないんです。
どっちにしても、お金で解決したかったわけではないのに……とモヤモヤしました」
その後、夏休みに入ってすぐにAくん一家はお父さんの転勤で遠くへ引っ越すことになり、転校していったのだとか。
そのため、マキさんはそのときにもらった1万円は手を付けずに取っておいているそうです。
<取材・文/nami イラスト/ズズズ@zzz_illust>
【nami】
3人の子をもつママライター