◆約束もせずに家に来るように

お菓子
 毎日のようにお菓子やジュースを用意しなければならず、金銭的に負担になっていたのも事実です。

 また、Bちゃんは年中さんの年齢だったので、平日は幼稚園に行っているのですが、土曜日は必ずAくんと一緒にわが家に来ていました。

 ハルトも『あれ? 今日もきたの?』とびっくりしていたので、約束もしていなかったようです」

 週3~4のペースでAくんが遊びに来るようになり、もうすぐ夏休みに入るタイミングとなりました。

 さすがに夏休み中も毎日のようにこられたら大変だし、お昼ご飯も用意しなければならなくなったらどうしようと考えたマキさん。幼稚園も夏休みに入るため、毎回Bちゃんも同伴となるとますます大変です。

◆お菓子とジュースの持参をお願い

 思い切ってAくんに「今度からは、自分のお菓子とジュースを持ってきてくれないかな?」と伝えました。

「ハルトはAくんと楽しく遊んでいるので、ハルトとAくんの友情を壊したくはないと思い、Aくんが嫌な気持ちにならないように優しく伝えました。

 そしたら、『なんで?』と返されてしまって……(苦笑)。『たくさん遊びに来てくれるのは嬉しいんだけど、毎日お菓子やジュースをいっぱい買うのは大変なの』と伝えると『わかった』と返事をしてくれたので、安心しました」

◆この1万円は何!?

1万円
 翌日、ハルトくんが帰宅するとすぐに家のチャイムが鳴りました。Aくんが遊びに来たのかと思って出てみると、AくんとAくんのお母さんが立っていたそうです。

「Aくんのお母さんとは入学式や保護者会などで顔を合わせているかとは思いますが、私は1人息子の初めての小学校でわけもわからなかったので、顔を覚えていなくて……。実質、初めてお会いしたようなものでした。

 印象としては、木村多江さんのように落ち着いた感じの女性。しっとりとした笑顔で、大人の雰囲気でした」

 無難に「いつもお世話になっております」と挨拶をしたものの、なぜ来たのだろうと不思議に感じていたマキさん。