では、14周年ツアーだった『“ECHOES OF DUALITY”』が、15周年のためのほんの橋渡しくらいの役割だったかというと、これがもう全然そうじゃなかった。
ツアータイトルのアルバム『ECHOES of DUALITY』を引っ提げて組まれたセットリストは、新曲を引き立たせる構成やライブ全体の演出があざやかにアップデートされ、『“KINGDOM”』開催までの力技が可能であることを示した。
デビューからこれだけの年月が経てば、そりゃ多少の既視感も紛れ込むライブになるでしょなんて侮ってはいけない。アルバムのリード曲「DEVELOP」をオープニング曲として最大効果を出しつつ、まだこんな新しい挑戦ができてしまうのかという驚きと高揚が、相乗効果で押し寄せる壮麗なステージングだったからである。
◆現役宣言的なロマン
三代目JSBのライブを初めて観た人は思わず目を丸くしただろうし、デビュー時から熱心に支えてきたMATEたちだって舌を巻いたはずだ。ドームツアーを欠かさずに観てきた筆者もこれまで以上に解像度が上がった仕様には感服した。
筆者が観た東京ドーム公演(12月11日)には、リーダーNAOTOがレギュラー出演する『モニタリング』2025年1月3日放送回の収録隊が潜入するという偶然のサプライズまで用意されていた。
それをなんとも軽やかにやってのけてしまえるからこそ、14周年グループの団結が裏打ちする15周年があざやかに待機できる。そりゃね、どこまでも付いていきたくなるわけだ。
その意味では自分たちが「米寿」になっても「百寿」になっても付いてきてくれるかと会場をあおった山下健二郎のMCが印象的だった。自分たちが88歳、100歳になってもまだダンス&ボーカルグループとして三代目JSBがもしかしたら成立してるんじゃないか。山下の言葉は、そんな無限の現役宣言的なロマンにあふれていた。