怒り、呆れる容子さん。その後、高熱が出たからと検査を受けると、ただの風邪ではなくインフルエンザに罹っていたことが判明します。
店は容子さんのワンオペとなり、営業時間もランチに絞って乗り切ることに。家庭内でも泰司さんを隔離し、家族に感染が広がらないように努めていました。
「手洗いやうがい、マスクなどで対策を徹底して生活していたのですが、息子(当時6歳)にも高い熱が出てしまいました。息子は喘息持ちのためか、どうしても風邪などをひきやすい体質のようで。
かかりつけの大きな病院で息子を診てもらって一安心した束の間、今度は私も発熱。
しかし病院の休診期間に突入してしまいました。タクシーで遠い病院に行くことも考えたのですが、そんな体力はもう残っていませんでした」
◆飲食業の貴重な休みが実質ゼロに
小さな子どもを看病するうちに、親まで病気になってしまうのは“育児あるある”です。
とはいえ、容子さんのお店は年末年始も食べにくる地元客のために、休みは12月31日から1月3日までの4日間のみ。その心境は穏やかではありません。
「客商売にとってはとりわけ貴重な連休なのに、自分がダウンしてしまったのでどこに行くこともできず、豪華な食事を食べることすらも叶わずじまいでした。
通院も結局あきらめ、代わりに医師に家へ来てもらえる往診サービスを頼みました。もちろん年末なので通常にも増してバカ高い診察代でしたが……。
カウントダウンから元旦にいたっては高熱で寝込んでおり、記憶すらありません。その後は薬が効いて熱も下がったものの、解熱後2日間は家から出ないようにと言われていたので、スマホアプリで漫画を読むくらいしかできませんでした。
文字通りの寝正月で休みが終わってしまったのです」
◆懐にも心にも体にも大ダメージ
家族の看病に追われるばかりか、書き入れ時に夜の営業を中止し、しまいには自分まで感染と、踏んだり蹴ったりの年末年始を過ごすはめになった容子さん。このことを戒めとして、感染予防にさらに力を入れるようになったと言います。