ただ、そのためにも綾が“視聴者から共感される主人公”になる必要がある。俳優“足立梨花”と聞くと、他の作品で演じてきた嫌なキャラをイメージする人も珍しくないはず。足立さんは“みんなの綾”になるために「何かを参考にするのではなく、『綾としていたい』という気持ちを意識するようにしています」と回答。変に飾らずに演じることで、“綾”を表現できると語った。

◆女性も気軽に“性”を話せる社会になれば

 足立さんは「綾が悩んでいる背景には、やはり女性が性の悩みを話せない空気感が大きいです。下ネタやエッチな話という感じではなく、女性が性に関する話題をもっと自然に話せる社会になれば」と本作への意気込みを話す。

「マイ・ワンナイト・ルール」
©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会
「『別に性の話なんてしたくない』という人もいると思いますが、それでも悩んでいる人もいるため、『こういうことで悩んでいる人もいるよ』ということが伝えられると嬉しいです」

 最後に本作の見どころとして「1話ごとに綾がどのように葛藤・成長していくかに注目してほしい」と答える。

「綾が自身の感情と向き合い、時には迷いながら進んでいく姿が描かれています。このドラマを見て、『こういう考え方もあるのか』という気づきを感じてもらい、『私もこんな気持ちになったことがある』と共感や安心感を覚えてもらいたいです」

“女性の性欲”は間違いなく扱いづらい題材である。どのようにドラマで表現されているのか注目だ。

<取材・文&人物写真/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki