◆原作漫画が連載中だからこその難しさ
現在、原作漫画の『マイ・ワンナイト・ルール』は連載中であり、まだ完結はしていない。だからこその難しさも口にする。
「読者さんは『この後どうなるんだろう?』と思いながら読んでいると思いますが、ドラマでは原作よりも“先”を描くことになります。もしかすると、ドラマを見た原作ファンの人に『こんな展開は望んでいない!』『綾はそんな人じゃない!』と思わせるかもしれない。
また、原作に描かれている話であれば、綾のその時々の感情は原作を読めばわかるのですが、原作で描かれていない部分のストーリーとなると、綾の感情は想像するしかありません。一応、私の中での綾像はありますが、読者さんが思い描く綾像とは異なる可能性も低くない。撮影を通して監督と話し合いながら綾の言動や感情を手探りで把握していく作業はやはり簡単ではありません」
苦労を口にするが「ドラマと原作が違う展開になったとしても、原作の世界観を壊さなければ、ドラマオリジナルのストーリーとして楽しんでもらえると思います。そう感じてもらえるようなドラマを作っていきたいです」と語った。
◆性欲の話を“下ネタ”と思われる怖さは?
原作はラブコメ要素も多いが、それでは本作のメインテーマである女性の性欲が軽く捉えられかねない。その辺りに不安はないのか。
「女性の性欲がメインテーマですが、性行為が軸ではありません。あくまで『女性が性欲とどう向き合うのか』という部分に重点が置かれた作品と認識しています。綾が葛藤している様子、そこにどのようなことに対応していくのかを見せられれば、“下ネタ”と安易に結び付けられることはないはずです。
また、ポップなシーンとしっとりシーンを演じ分けることで、原作の笑える部分も見せつつ、女性の悩みに寄り添うことができるのかなと考えています」