ボーナスの支給は法的な義務ではないとはいえ、もらえると思っていたのにもらえないと労働者としては困ります。また、ボーナスの未支給が問題となるケースもあります。
例えば、会社が作成する就業規則に「毎年ボーナスを支給する」といった記載がある場合、これは会社がボーナスを支給する義務を負うことを意味します。この規則を守らない場合、会社側が労働契約に違反したと見なされるかもしれません。
また、労働組合と企業が取り決めた労使協定の中でボーナス支給が明記されている場合も同様です。この協定を無視してボーナスが支給されない場合、労働基準監督署などに訴え出ることが可能です。
なお、就業規則や労使協定などの定めがなく、業績悪化などのボーナスが支給できないやむを得ない事情があったとしても、企業としての説明責任は重要です。従業員に対して理由をしっかりと説明し、透明性を保つことで、信頼関係を維持することが求められるでしょう。
従業員が取るべき対応とは?
もし自分の会社に違法の疑いがあると感じた場合、どうすれば良いのでしょうか?
まずは、会社の就業規則や労使協定を確認し、ボーナス支給に関する記載があるかをチェックすることが大切です。あわせて、人事部や上司に直接理由を問い合わせてみるのも1つの方法です。書面やメールでの問い合わせを行い、証拠を残しておくと後々役立つ場合があります。
そして、会社側が不当な対応をしている可能性がある場合は、労働基準監督署への相談を検討しても良いでしょう。
まとめ
ボーナスの未支給は必ずしも違法ではありませんが、就業規則や労使協定に違反している場合は法的な問題に発展する可能性があります。また、「毎月の給与水準を上げているから」という理由は、適切な説明や合意がなければ納得性を欠く場合があります。
自分の権利を守るためにも、会社の規則や契約内容をしっかり確認し、必要に応じて専門家に相談しましょう。