差額ベッド代や先進医療にかかる費用、食費や居住費などは高額療養費の支給対象外です。例えば病気や怪我で入院すると、衣類や洗面用具、タオルなどの日用品、サポートしてくれる家族の交通費などの出費が重なり、想像以上の負担となる可能性もあるので要注意です。
 

月をまたいで入院すると自己負担額が増えることがある

高額療養費は1ヶ月単位で計算され、申請書類も1ヶ月ごとに1枚必要です。そのため、例えば10月15日から11月15日まで月をまたいで入院すると、10月と11月の2ヶ月分の申請をしなければなりません。
 
高額療養費の自己負担限度額は月毎に設定されます。例えば、10月15日から10月31日までの医療費は50万円、11月1日から11月15日までの医療費も50万円かかると、10月と11月でそれぞれ自己負担限度額は8万2430円となり、実際は16万4860円支払わなければならないケースもあるかもしれません。
 
このように同じように「1ヶ月入院する」場合でも、「10月1日~10月31日」といったように月内で収まる場合とそうでない場合は自己負担額が大きく変わることになります。「1ヶ月間入院したから自己負担は8万円程度で済む」とは限らないので注意が必要です。
 

自己負担額を下げるには?

できる限り自己負担額を増やさないためには、月をまたがずに、例えば、12月1日から12月31日の間で治療するのがベストかもしれません。経済的な負担を軽減するためには大事ですが、実際問題自分自身の病気や怪我をコントロールするのは容易ではありません。
 
場合によって月をまたぐ可能性はあるため、事実上は高額療養費の自己負担上限額の数カ月分はかかると考えておいたほうがいいでしょう。
 

まとめ

本記事では、急遽入院して保険診療を受けても、自己負担額が上がることはあるのかを解説しました。日本の公的医療保険制度はメリットが大きい一方で、注意点もあります。
 
自己負担額が増える可能性がある点も踏まえ、1ヶ月あたりの上限額以上は負担できない場合は、それらの弱点やリスクを補うために民間の医療保険に加入するのも1つの方法でしょう。
 

出典