▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金の平均額は月5万円なのか?
「年金の平均額が月5万円という記事」の内容は、おそらく「年金受給額の平均は、国民年金のみの場合は月5万6428円」という趣旨のものでしょう。これにより「年金額の平均額が月5万円」と思われたのではないでしょうか。
この金額(月5万6428円)の根拠は、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」です。これによると、令和4年度の国民年金で老齢年金受給者の平均年金月額は、5万6428円となっています。しかし、ここで注意しなければならないのは、この金額は「受給資格期間を原則として25年以上有する」方を対象に算出した金額だということです。
令和6年4月分からの老齢基礎年金の満額は、81万6000円(月6万8000円)です。老齢基礎年金は、国民年金保険料の納付済み月数に応じて受給額が異なります。国民年金の被保険者期間(20歳から60歳までの40年間)の保険料を全て納付すると、満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
したがって、「自分は老齢基礎年金をいくら受け取れるのか」を考える際は、先述の平均額(月5万6428円)を参考にするより、ご自身が保険料をどれだけ納付しているかを考慮したほうがよいでしょう。例えば、以下の条件で考えてみます。