SDGsに貢献する新素材「DEER HAIRデニム」の開発に費やした歳月は、構想から6年だという。
断熱効果&吸湿発熱効果に優れたデニム
「DEER HAIRデニム」では、シカの毛を芯に、ウールと再生ナイロンを巻き付けた3層構造の糸を使用。シカの毛は「中空構造」で、中空部分に空気が溜まることでダウンのような断熱効果を持っており、「多孔質構造」でもあるため、ウールのように“呼吸”する機能もあり、吸湿発熱性能にも優れているとのこと。
JIS規格の吸湿発熱性素材評価では、最大吸湿発熱温度1.6℃以上、熱保持指数300℃・sが目安のところ、「DEER HAIRデニム」の試験結果はそれぞれ3.8℃、560℃・sで、吸湿発熱性が大幅に高いことが確認された。
夏でも冬でも外気の温度に左右されにくく、快適に着用できるのがうれしい。
デザインにもこだわりあり
また「DEER HAIRデニム」は、ネップ感のある表情や、ところどころに毛が見えるワイルドな質感も特徴的。
通常デニム生地は縦糸に白を使うところ、今回は「グリーン」をチョイスし、全体的に深い色味にすることで、ブラックデニムに近い洗練された見た目に。太めのストレートシルエットで動きやすさとスタイリッシュさを両立している。
ボタンフライやファイブポケット、深めのポケットなど、デニム通をうならせる仕様で、セルビッチの“赤耳”、裾の内側のオレンジ糸チェーンステッチもポイント。
ロールアップした際に、裏地のグリーン、赤耳、ステッチが目立つようデザインされており、ボタンやリベットはあえて錆び加工を施し、ジーンズに溶け込む外観に仕上げている。
初回生産60本限定で先行発売中
「DEER HAIRデニム」は、初回生産60本限定で、藤巻百貨店にて先行発売中。
「オイカワデニム」代表取締役社長の及川氏は、「自然に近いものを着て、私たちを取り巻く環境の変化を感じてほしいですね」と語っており、同社は、この革新的な取り組みが、持続可能な社会の実現に一歩近づくきっかけとなることを願っているという。