“⽇本”をテーマにした珠⽟の逸品に出会えるECサイト・藤巻百貨店が、宮城県気仙沼市を拠点とする「オイカワデニム」が開発した新素材「DEER HAIRデニム」のジーンズを、2024年12月27日(金)より、数量限定で先行発売中だ。

「廃材再利用プロジェクト」第2弾


宮城県気仙沼市を拠点とする「オイカワデニム」は、1981年の創業以来、数々の有名ブランドのOEMを請け負い、世界的ブランドの復刻モデルを手掛けるなど、海外の企業からの信頼も厚いジーンズメーカーの1つ。自社ブランドのアイテムでは、これまで培ってきた技を結集し、圧倒的な完成度でマニアをもうならせてきた。

2011年の東日本大震災で津波の被害に遭うも、その後見つかったジーンズには1本の糸のほつれもなかったことから、“復興のデニム”として多くの被災者を勇気づけたという逸話も。


「未来に向かって自分たちの技術を使おう」と決意し、“海・陸・山”の3部作からなる「廃材再利用プロジェクト」に取り組んでおり、2015年に発表した「海」がテーマの第1弾「メカジキデニム」に続いて、第2弾となる今回は、「陸」をテーマとした「シカの毛」を活用したジーンズを開発。

同プロジェクトは、地域の素材や技術を最大限に活用し、環境問題への意識を高めることを目指している。

シカの命を無駄にしないサステナブルなデニムづくり


近年、環境の変化によりシカが自然淘汰されず、個体が増加。シカによる農作物被害や自然環境への影響が社会問題となっている。毎年全国で約70万頭のシカが駆除される一方で、その毛は廃棄されることがほとんど。そこで、「オイカワデニム」代表・及川洋氏が目指したのは、本来廃材となってしまう「シカの毛」を活用し、駆除されたシカの命を無駄にしないサステナブルなデニムづくりだ。



その後、東北大学材料科学高等研究所と連携し、中空構造・多孔質構造を持つシカの毛の特性を生かした素材化に成功。地域産業との連携による国内生産で、紡績〜混紡〜加工〜先染め〜織布の各工程を、岐阜〜愛知〜大阪〜山形〜広島と、日本全国でバトンをつなぐことで誕生させた。