老齢基礎年金+老齢厚生年金:年180万円
配偶者加給年金:年23万4800円
特別加算:17万3300円
65歳からの年金額が「月15万円」の夫。60歳から自営業なので年金を「繰上げ受給」の予定だけど、受給額はいくら減る? 繰り上げた時点で「加給年金」も加算されるのか解説
合計で、年220万8100円、1ヶ月あたり約18万4000円ほどです。
この人が繰上げ受給を行い、60歳から受給を始めると、以下の額になります。
老齢基礎年金+老齢厚生年金:年136万8000円
1年で136万8000円ですから、1ヶ月あたり11万4000円です。他に収入がなかったとしたら、少々厳しい額かもしれません。ただし65歳になれば、加給年金がプラスされます。
加給年金の要件
加給年金とは、老齢厚生年金に加算される家族手当のようなものです。年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳に到達した時点で、その人に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算されます。加給年金の受給要件を整理すると以下の通りです。
●被保険者期間が20年以上ある老齢厚生年金の受給権者が対象
●その人が65歳になった時点で、生計維持関係のある65歳未満の配偶者、18歳3月31日までの子(1級・2級障害の場合は20歳未満)がいる
繰上げ受給をしても加給年金は65歳から。また加給年金は減額されない
老齢厚生年金に追加される形の加給年金ですが、老齢厚生年金を繰り上げて60歳から受給した場合でも、加給年金の受給開始は65歳からです。
また、老齢厚生年金を繰り上げたために老齢厚生年金本体が減額される場合でも、加給年金は減額されません。繰上げ受給をした人でも、65歳から満額の加給年金が受け取れます。
まとめ
60歳で退職して自営業を始めると、しばらくは収入が安定しない可能性があります。そうしたときに年金の繰上げ受給は便利な制度に思えるかもしれません。
しかし一度繰上げた年金は生涯にわたって減額されるため、慎重に考える必要があるでしょう。なお、老齢厚生年金にプラスされる加給年金は、繰上げ受給をした場合でも受給開始は65歳からで、加給年金の減額もされません。
年金の繰上げ受給に関しては今後のことも踏まえて慎重に考え、もし余力がある場合は、短時間のパート勤務などを考えてみてもよいかもしれません。