人間の表の顔と真逆な裏の顔を描き分ける本作のクランクイン前、小林監督はナタリー・ポートマン主演のサイコサスペンス『ブラック・スワン』(2010年)を観るよう、2人に勧めたそうだ。
かれしちゃん 初めて『ブラック・スワン』を観ました。人間のドス黒い内面を覗くのが、ササヤキは好きなんだなと思いました。役づくりのヒントになりましたね。
田野 私も『ブラック・スワン』観ました。人間の嫌な面を描きながらも、映像としては美しい作品なので、そういう部分は意識しました。恐れ多いのですが、ナタリー・ポートマンの演技を参考にさせていただきました(笑)。
映画の序盤から、美菜実とササヤキがキスを交わし、そのままベッドで戯れるシーンが用意されている。どんな気持ちで演じたのだろうか?
かれしちゃん 撮影の前に、男性の助監督さん2人が絡んで演じてくれたんです。助監督さんたちの動きを確認してから、撮影に入りました。ササヤキはぐいぐい攻めるタイプだったんですが、気持ちが焦ってしまいがちでした。「もっとねっとり、もっとしっとり演じて」と小林監督からは言われました。初めてのキスシーンも難しかったです。
田野 えっ、私が初キスシーンの相手だったの? ごめん(笑)。トラウマにならなければいいけど。
かれしちゃん いえ、初めての相手が田野さんでよかったです。撮影の2日目にキスシーンやベッドシーンがあって大変でしたが、撮影序盤にいちばんの山場をクリアできてよかった。これを乗り切れば、あとの山場も乗り切れると思えましたから。
田野 男性とのキスシーンは、また違う体験になると思うよ(笑)。最近、ネット向けのショートドラマ『愛の掛け惨』でもベッドシーンに挑戦したんですが、今回はもっと生々しかった。相手との距離感やタイミングもあるし、芝居として成立させないといけないから簡単じゃないですね。
田野優花の叶えたい夢とは?
過激な演技に果敢に挑んでみせた2人だが、大きな代償を伴っても欲しい能力はなんだろう?