ライブアイドルを応援するファンも自粛期間中の鬱憤が爆発したのか羽振りも良く、アイドルイベントをはしごして、お気に入りのアイドルと一緒にチェキ撮影ができる物販で大枚をはたいているという。だが、決してアイドルファンの数が増えている訳ではないことが業界内では大きな不安材料だ。
「昔からライブアイドルを応援していたファンが戻ってきているだけで、むしろ数は減っている印象です。あとコロナ以降で大きく変わったのは、ほぼCDを作るアイドルがいなくなったこと。コロナ前から減ってはいましたが、特にライブアイドルはCDを作らなくなりました。
若い世代はCDプレイヤーすら持っていないですから、メンバーも配信リリースだけで満足しているし、CDに幻想を抱いていないんですよ。アイドルイベントに呼ばれても基本的にノーギャラで、物販での売り上げが唯一の収入源なんですが、CDがないですし、Tシャツなどのグッズも昔より売れないので、チェキだけが頼みの綱なんです」
それでも数多くのアイドルイベントに出演すれば一定の収入を得られることから、このシステムに疑問を抱かないアイドル運営も多いという。また気軽に参入できることからコロナ以降、20代から30代前半の若いアイドル運営が増加したことで、長期的な視点で物事を見ずに、目先の収入に走る者が増えているそうだ。
「アイドルグループを育てるという感覚がないんですよ。極端に言えば、1億円稼ぐアイドルグループを時間をかけて育てるよりも、適当に女の子を集めて1000万円稼ぐアイドルグループを10組作ればいいという考え方。
昨今、アイドルのセカンドキャリアが取り沙汰される機会も増えましたが、それは大手事務所の話。ライブアイドル界隈で、女の子たちの将来まで考えている運営は少数派ですよね。『将来は女優になりたいです』なんて言い出したら、『他のところに行ってください。うちは新しい子を入れるので』と突き放す。でも、こんな自転車操業のようなやり方が続くとは思えないんですよね。すでに淘汰は始まっていますが、さらに2025年は次々とアイドルグループが解散していくと思います」