主要部門受賞は15年前に1回だけ
しかしこれまでの歴史を振り返ると、ビヨンセは何度も主要部門にノミネートされ受賞が有力視されながらも、ことごとく受賞を逃してきた。詳しく見ていこう。
ビヨンセは2025年までに通算で、年間最優秀レコード賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀楽曲賞にそれぞれ5回ずつ、合計15回ノミネートされているが、受賞したのは2010年に「Single Ladies」で獲得した年間最優秀楽曲賞のみだ。(※2025年分の受賞結果は含まず)
主要部門の中でも特に注目されるのが年間最優秀アルバム賞だが、ビヨンセは過去5度ノミネートされたが一度も受賞はしていない。(※2025年の受賞結果は含まず)
ちなみにビヨンセがアルバム賞にノミネートされた年の受賞者は次のようになっている。
- 2010年: ビヨンセ『I Am… Sasha Fierce』ノミネート / 受賞はテイラー・スウィフト『Fearless』
- 2015年: ビヨンセ『Beyoncé』ノミネート / 受賞はベック『Morning Phase』
- 2017年: ビヨンセ『Lemonade』ノミネート / 受賞はアデル『25』
- 2023年: ビヨンセ『Renaissance』ノミネート / 受賞はハリー・スタイルズ『Harry’s House』
音楽業界最高峰のアワードだけに、いずれの年も手ごわい競合候補がいたことは確かだ。
今年最優秀アルバム賞を争うライバルは・・?
では2025年の候補はどうなっているだろうか?最優秀アルバム賞ノミネートは次のとおり。
- アンドレ3000『New Blue Sun』
- ビヨンセ『COWBOY CARTER』
- サブリナ・カーペンター『Short n’ Sweet』
- チャーリーXCX『BRAT』
- ジェイコブ・コリアー『Djesse Vol. 4』
- ビリー・アイリッシュ『HIT ME HARD AND SOFT』
- チャペル・ローン『The Rise And Fall Of A Midwest Princess』
- テイラー・スウィフト『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』
一番の有力候補とされるテイラー・スウィフトは史上最高となる20億ドル超のチケット売り上げを記録した「THE ERA TOUR」を終えたばかりで勢いにのっている。彼女はビヨンセが一度も獲っていない最優秀アルバム賞をなんと4回も受賞している(史上最多)。
またビリー・アイリッシュは第62回グラミー賞(2020年)で年間最優秀楽曲賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀レコード賞、最優秀新人賞の主要4部門をコンプリートしたことがまだ記憶に新しい。
ビヨンセの悲願達成の前には、今回も非常に手ごわいライバルたちが立ちはだかっている。ビヨンセがアルバム賞を受賞しても、他のアーティストが獲ってもおかしくはない状況だ。