部長が「数年前は都内のマンションが5000万円で買えた」と言っています。今だと4人家族向けで「8000万円」はするのですが、本当にそんなに安かったのでしょうか?
多くの人にとって、マイホーム購入は人生最大のイベントではないでしょうか。絶対に失敗したくない大きな買い物に向けて、購入経験者からアドバイスをもらうこともあるでしょう。   職場の上司に相談した際、「自分が買った頃はもっと安かった」と言われると、一昔前はそんなに安くマンションを買えたのかと気になるかもしれません。本記事では東京23区のファミリー向けマンションの相場の推移を紹介します。

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9年間で約1.68倍になってしまった東京23区の中古マンション価格

総合不動産コンサルティングサービスを提供する東京カンテイが公表している『2023年・年間平均中古マンション価格(年間版)』によると東京23区の「中古マンション70平方メートル換算価格年間平均」は、2014年で4203万円でしたが、2023年は7055万円となっており、この10年で価格は約1.68倍にまで上昇しているようです。「数年前は安かった」という意見は正しいでしょう。
 

マンション価格の上昇要因として考えられる理由

東京23区のマンション価格が上昇している理由は、次のようなものが考えられます。
 

建設コストの高騰

建設コストの高騰は、円安による輸入建設資材の価格上昇が原因の一つと考えられます。円の価値が弱くなると、輸入時により多くの円を支払わないといけなくなってしまうからです。
 

マンション供給戸数の減少

マンション供給戸数の減少は、新型コロナウイルスの流行や前述した建築コストの高騰などが要因と想定されます。
 

低金利環境の継続

継続している日銀の金融緩和政策の影響により、低金利にて住宅ローンをはじめとした資金調達を行うことができます。そのため、あくまで現時点での金利状況を考えれば住宅の購入や不動産投資を行いやすい環境であるといえます。
 

海外資本による投資対象化の進行