――劇中では、その成長の過程も声で表現されていましたね。

小芝:彼女の持っている強さは大事にしました。ヘラの守りたいものが、自分自身なのか民なのか。幼馴染のウルフとヘラの戦いを見ていて、最終的に自分よがりのものではなく、みんなを想う気持ちが最後は強くなっていくなと、観ていて感動しました。ヘルム王との関係ではグッとくるものがあるので、いろいろな方たちに観てほしいです。

――ヘラのキャラクターは、どのように理解しましたか?

小芝:強く芯がしっかりしている。自分がしなければいけないことを、あの時間に迫られている中で、ちゃんと自覚して行動している。しなければいけないことにしっかり向き合い行動するってなかなかできないと思います。今でこそ女性は自由に活躍できると思うのですが、あの時代に第一線で戦える姿は強くてカッコいいなと思って観ていました。

◆「いろいろ悔しいこともあったけど……」

――第一線で戦うという意味では俳優の仕事も似ているかと思いますが、小芝さん自身もヘラと近いところがあるのではないでしょうか?

小芝:ヘラは王女なので比べると背負っているものが違いすぎて演じながら自分と似ているなとかは考えてはいなかったのですが、年齢を重ねていくにつれてお仕事をするときの責任だったり、現場でもどんどん年下の方が増えてきたりするので、いつまでも先輩に甘えていちゃいけないなと、自分がしっかりしなくちゃいけないなと自覚することがここ数年すごく増えてきて。この人について行きたいと思われるような、ヘラのような強い女性にはあこがれます。

――ヘラとの出会いや学びのほかに、本作に関わってよかったなと思うことはありますか?

小芝:ドラマだけでなく舞台、映画もやりたいですし、いろいろなお芝居をしたいと思っていたので今回声優さんのお仕事もさせていただけて。今後この経験が普段のお芝居に活きてくるかもしれないですし、普段やっているお芝居が声のお芝居でも活きてくると思うので、どんどんお芝居の引き出し、幅が広がると思いました。これから先、またアニメーションのお仕事がしたいという夢も広がりました。